陸上短距離は、トレーニング中、また、トレーニング後にきちんとケアしないと、筋肉の痛みや怪我等につながりますが、一般の市民マスターズ選手は専用のトレーナをつけるほどの経済的な余裕はありません。
15年間マスターズ短距離トレーニングを続ける中で、あちこち怪我をしながら筋肉のケア方法について試行錯誤してますが、最近製作したマッサージ器は、コンパクトなうえ痛み低減と怪我防止に割と効果がある(本人の感想)ので、その製作方法について紹介します。
1.特徴。
①コンパクトなので持ち運びが簡単、毎日のトレーニングに持っていける。
②踵(かかと)、脹脛(ふくらはぎ)、腿(もも)裏等がこの一台でマッサージできる。
③製作が簡単。
2.製作方法
製作方法例を以下に示します。部品形状等は、各自の体形、筋肉痛の状態等に合わせて適宜工夫してみてください。
(1)部品表と部品写真一覧
表1に部品表、図1に部品写真一覧を示します。
図1 部品写真一覧
(2)部品詳細および部品組付け
各部品の詳細と、部品通しの組付け状態をそれぞれしまします。
ア 部品②④詳細と組Ⓐ
部品②は市販のキャスタ―の角を面取りして滑らかにしたものです。
部品④は角材(24×24)を長さ60mmに切断し、キャスター面を斜めに加工、なべタッピングの下穴加工、長ねじが通る穴加工をしたものです。
部品④に部品②を部品⑧のなべタッピングで組付けます。これを組Ⓐと呼びます。
図2 部品②④詳細と組Ⓐ
イ 部品⑤詳細と部品組付け
部品⑤は角材(24×24)を長さ80mmに切断し、キャスター面を斜めに加工、なべタッピングの下穴加工、長ねじが通る穴加工、ユリヤねじが通るように形状を加工したものです。
部品⑤に部品②を部品⑧のなべタッピングで組付けます。これを組Ⓑと呼びます。
図3 部品⑤詳細と組Ⓑ
ウ 部品⑦詳細と部品組付け
部品⑦は角材(24×24)を長さ30mmに切断し、なべタッピングの下穴加工と面取り加工をしたものです。
部品⑦に部品③を部品⑧のなべタッピングで組付けます。
これを組Ⓒと呼びます。
図4 部品⑦詳細と組付Ⓒ
エ 部品①⑥詳細と部品組付け
部品①は厚さ12mmのベニヤ板を125×120に切断し、部品⑥と組Ⓐを組付ける際のねじの下穴加工をしたものです。
部品⑥は断面24×24の角材から断面12×24長さ60mmに加工したものです。
部品①に部品⑥と組Ⓐをスリムねじ⑨で組付けます。また、4隅にクッションゴム⑫を貼り、さら木ねじ⑬で固定します。これを組Ⓓと呼びます。
図5 部品①⑥詳細と組Ⓓ
オ 最終組立
組Ⓓに部品⑯の長ねじ(長さ135mmに加工したもの)を、組Ⓑとともに組付け、両側を⑰のナットで固定します。
組Ⓒに⑩蝶番を⑪のねじで取り付け、さらに組Ⓓにも蝶番を⑪のねじで組付けます。
以上で完成です。
図6 最終組立
3 使用方法例
図6に使用方法例を示します。
アキレス腱とかかとの付け根のマッサージには組Ⓒを立ち上げて、3点支持とし、その上にかかとを置きます。
ふくらはぎ、ももの側面、もも裏には、組Ⓒをたたみ、組Ⓑを好みの幅に調整し、使用します。
図6 使用方法例
4.参考
材料はホームセンターと100円ショップで購入できます。下図は一部の部品についての加工前の購入時の状態(包装状態等)です。材料購入時の参考にしてください。